インドで一日に生まれる生地は何枚くらいだろう。
目にするたびに虜になる、美しいプリントの数々はインドでは日常的に生産されている。
インドからすれば遠い異国の地、日本に住む私たちがブロックプリントの虜になるこの感覚、この気持ち。
そこから派生する様々な想いは、ネイティブにはずっと理解できないものかもしれない。
私たちにとっては新鮮に感じられる、異国情緒あふれる色彩も柄も、彼らの生活の中では、まるで当たり前に生まれ続け、存在し、自然なものに違いない。
写真1:この生地は、ジャケットやベスト、シグワユーバッグの裏地に使用。-This fabric is used for lining of jackets, vests, and Sig_Wayuu bags.
たとえば私は、美しいブロックプリント生地にとても癒される。
なぜ?
この、自由で大胆で、エネルギーに満ちた色彩が
自分の本能や野性に呼びかけてくる。
都会の社会的な営みのなかでくすぶっていた本能や野性を、
ありのままであなたは大丈夫、その命は美しいのだよ、とまるで肯定してもらったようなそんなほっとする気持ち。
私は、くすっとほころぶ。
ところどころかすれていたってこんなに可愛い、手仕事のあたたかみ。
それもふくめて芸術的だなんてすごい。
そのように愛しいものが、ありありと存在していることにほころぶ。
インドから届いた生地が10cm足りない。
それを伝えるとしれっと流される。
だけど、次はしれっと何かしらのフォローをしてくれているのに気づく。
文化も慣習も常識もかなり違う私たち。
それでもハートが通じ合う出会いを見つけることができて嬉しくなる。
小さなミスしたって、そんなくよくよする必要ないかも。
私がそんな気持ちになる。
インドに永く伝わるブロックプリントという柄が
私を引き寄せて今、Signatasを通して新しい出会いを生んでいるのかもしれない。
ありがたいことに、出店を通してそう思えることが増えてきました。
わくわくは連鎖し、つづくのです…
写真2:私のインドの友人Mに、昨年9月にめでたく生まれた第一子。「彼を寝かせたとこだから、仕事に戻れるよ」というメッセージより。-My friend M in India had her first child last September. From the message, "I just put him to bed, so I can get back to work.